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アルバイトとフリーターは同じような意味合いで使われがちですが、実際に何がどう違うのでしょうか。

まず、労働基準法上は稼げるバイトもフリーターも同じ「労働者」として扱われ法的にはどちらも同じで、稼げるバイトもフリーターも非正規社員になり、一般的に有期労働契約(期間の定めのある労働契約)になります。

フリーターの生みの親はフロムエー

フリーターの語源は1987にリクルート社のアルバイト情報誌「フロムエー」が、「真面目に夢に向かってチャレンジしているもの」 として使ったのが初めとされています。

当時のフリーターは、目的や夢を持っている若者が多く、前向きな理由でフリーターとして働いていましたが、景気が悪化した 1990年代以降、新規学卒労働市場が冷え込むな かで「フリーター」募集の広告に応募する者は増え、現在では「まともに仕事に就かない 若者=フリーター」という見方も広がっています。

そして近年ではフリーターの数は増加し、フリーターは珍しいものではなくなってきており、広辞苑にも記載されるほどに一般化しています。

学生やサラリーマンの副業など、別に正業を持つ人が副次的に働くときには「稼げるバイト」と表現し、学校を卒業して稼げるバイトを正業として働いている人は「フリーター」と表現しています。

このことから、フリーターの学生は存在しないことになります。

フリーターの現状

数多くの若者がフリーターになっていますが、若者雇用に問題があることは世界的に見て特殊なことではなく、欧米では日本よりずっと前から若者雇用問題を抱えているようです。

しかし日本の場合、終身雇用、年功序列、企業別組合といった特殊な伝統的雇用体系に問題があるようです。

以前の日本の会社の特徴というと、初めに就職した会社を辞めない限り、雇い主の会社が一生面倒を見てくれる。しかも、給料は年齢が上がるにつれて上がっていくといったことが挙げられます。

日本ではなんでもこなせるオールマイティな人材を育てたいので、新規に一括採用します。例えば、車を作る事を望んでその会社に入ったのに、いざとなったら販売回されるということもあるというように、希望した会社に就職できたとしても自分の望んだ仕事をできるとは限りません。

しかし、欧米ではその職に特化した人を望むので、職業で人を募集し、逆に余ったら解雇するということになります。

このことから、日本的経営では不当な労働を強いられたとしても、辞めてしまえば次の職を見つけるのが困難なので、何時間もの長時間労働を強いられたとしても会社を辞めることを恐れて、精神的に追い込まれる人も多いといことになります。

つまり、日本では一度つまずいてしまうと、欧米諸国とは異なり再就職先を探すのが難しいということです。そのため、日本のフリーターは欧米諸国との若者雇用問題と比べ異質と言えます。

年功序列や終身雇用が揺らぎ始め、日本的経営が崩壊したと言われる現在でも、根本には日本的経営の色を濃く残している企業も数多くあります。